SOINN

【お客様の声】Switch VisionⓇ Module:Deep 系AIの高負荷・高コストに悩む現場での活用に期待 SOINN エッジAI・汎用AIを機器・ロボット・プラントへ

NEWS

お知らせ

【お客様の声】Switch VisionⓇ Module:Deep 系AIの高負荷・高コストに悩む現場での活用に期待

Switch VisionⓇ ModuleDeep 系AIの高負荷・高コストに悩む現場での活用に期待

 

日本電技株式会社(https://www.nihondengi.co.jp/

事業本部 エンジニアリング部

前野 中 様

食品工場向けの画像検査システムの設計や構築に数多く携わる

Switch Vision® Module使用歴:1年

 

ポイント

Switch VisionⓇ Module (以下SV-M)は、Deep Learning 系 AI の導入に伴う負担の重さに悩む現場や、負担の重さを懸念してAIの導入を見送っている現場などでの活用が期待できると見込んでいます。

 

導入の背景

食品は、ベテランでも良品・不良品の判断に迷うケースが出る難易度の高い対象ですが、昨今の人手不足・人件費高騰などへの対策として、食品工場においても AI の活用が強く求められています。

しかし通常 AI の導入には、大量の画像を高額な GPU 搭載マシンで長時間学習させ続けなければならないことが多く、現場の負担やコストが大きな問題となっています。

 

Switch Vision® Module を選んだ理由と効果

第一に、SV-M では大量の学習画像が不要です。

SV-M は Deep Learning のように大量の学習画像を与えて高精度を得るものではありません。ラベルを適切に調整した数百枚程度の画像に、精度向上に寄与しそうな画像を加えて学習させることで、現場の負担を抑えつつ着実に精度の向上を図る設計です。

SV-M では、AI の可視化機能で学習画像につけられた良品・不良品のラベルを俯瞰的に確認でき、良品・不良品の境界付近の微妙なラベルのブレ(判断の迷い)や矛盾を容易に把握して補正できます。また良品と不良品の境界付近の画像を確認し、それらに近い画像を学習画像に加えることもできます。これらの双方ともAI の精度向上に非常に有効です(図1)。

 

図1:Switch Vision® Module の運用画面。中央の3次元表示は OK/NG のラベル付き学習画像をAIがどう学習したかを示す分布。3次元表示の各ドットは学習画像に対応。ドットをクリックすると、右上に対応する画像が表示される。画像とラベルの整合性に問題があれば、右上の修正ボタンでラベルの修正が可能。修正後に、画面中央下の「再学習実行」ボタンを押すと、調整済みのラベルでAIの再学習が可能。

 

第二に、SV-Mは膨大な演算が不要で高速です。

SV-M は独自のアルゴリズムで計算が軽くGPU が不要なため、Deep 系 AI 導入のデメリットであるハード面のコストも大幅に削減できます。

ある食品工場に Deep 系 AI を導入した事例では、数万枚以上の学習画像を高額な GPU 搭載サーバで学習させ続けることで、AI の精度を上げていきました。今でこそ 98% 程度の正解率を誇っていますが、そのレベルに至るまで1年近い試行錯誤がありました。

SV-M にこのタスクの画像を数百枚投入し、何度か調整と学習を繰り返したところ、特に労せず Deep に近い精度が得られました。この検証では、一般的なノート PC を用いました。学習から判定までを全てノート PC 一台で実施し、1回あたりの学習時間はモバイル用 CPU で数分から10分程度、判定は数十ミリ秒でした。

SV-M を別のラインの画像検査に適用したところ、やはり非常に短いステップで、実運用に十分な精度が得られました。

第三に、SV-M は操作が簡単です。

SV-M のAI の学習は「学習実行」ボタンを押すだけです(図2)。よって誰でもノーコードで簡単に使えると思います。ラベルの調整は、OK/NGごとに色付けされた3次元グラフを任意に回転拡大させ、ラベルの整合性を目で見て確認しながら進められます。

 

図2:Switch Vision® Module の初期設定画面。上段に学習画像が表示され、左のタブで学習画像のリサイズ(縮小)や背景除去の調整が可能。調整後、左列最下段の「学習実行」ボタンを押すと、AI がより良い識別精度が出るよう各種パラメータを自動調整しつつ学習が進行する。

  

Switch Vision® Module の課題や改善すべき点

多クラス分類に力を入れると良いと思います。実際の生産ラインでは一口にOK/NGと言っても NG の種類によってリジェクト先を変える場合もあります。

判定結果は、OK/NG の2クラス判別であれば、テスト画像が OKである確率とNGである確率がそれぞれ出力されると思います。これに加え、NG であるなら画像のどこが NG かを示すヒートマップ画像も出力されると良いと思います。

UI が不要な常駐版や、コマンドラインでの実行、Web API でのやり取りなどインターフェース部分が拡充すればもっと扱いやすくなると思います。またライセンス認証手続きが簡便化されるとよいと感じます。

 

SOINN社より

前野様、大変貴重なコメントを頂き深く感謝申し上げます。

SV-M は常時改良を続けており、現在は SV-M の多クラス分類版もご利用頂けるようになっております。NG 個所のヒートマップ表示につきましては、現在導入を進めております。

近日、OK品だけを学習させて NG 品を検知する 「Switch VisionⓇ の良品学習版」もリリース致します。こちらには NG 個所のヒートマップ表示機能がついております。

今後、2クラス、多クラスの「教師あり学習版」と「良品学習版」のメリットを併せ持つAI の開発なども進める予定です。

UI が不要な常駐版や、コマンドラインでの実行、Web API でのやり取りなどインターフェース部分につきましても対応を進めており、一部はご提供可能になっております。

ライセンス認証機能につきましては、SV-Mの設計当初、SV-M をインターネット接続されていないPC でもご利用頂けますよう、あえてオフラインで認証する形式にした経緯がございます。しかしご指摘の通り、設定が煩雑になっておりますので、こちらも近日、インターネット接続可能な PC では簡単なクリック操作で認証できる機能をご提供する予定です。

上記の多くは SV-M のバージョンアップで対応して参ります。既に SV-M をご利用のお客さまには、soinn.ai サイトから新たなバージョンをインストールいただくことで追加費用無しにお使いいただけるようにする計画です。

詳細は、弊社の SV-M Web ページなどにてもご案内して参ります。

今後とも、ぜひ SV-M をご活用下さいませ。

【音声解説付動画】GPU を使わずノート PC でも学習・推論可能な高機能画像 AI: Switch Vision® Module学習のコツとデモ。約14分にまとめた、音声解説付きの動画です。Switch Vision® Module では、高精度な AI を、人に教示するように対話的に「育て」ます。AI を可視化して編集でき、超省データ、超省演算。Deep とは全く異なるアプローチを、ぜひご覧ください。